幼稚園のご案内

園長ごあいさつ

本園の目指すところはまずもって、豊かな心をもち、のびのびと生きていく子どもを育てるところにあり、子どもの主体的・内発的な力を育てることに力を入れています。そうした力こそが、子どもたちの「生きる力」となると考えるからです。近年、幼児期における教育の重要性が、強く意識されるようになってきました。2009年に改正された教育基本法においても、「幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであることにかんがみ、国及び地方公共団体は、幼児の健やかな成長に資する良好な環境の整備その他適当な方法によって、その振興に努めなければならない」という条文(第11条)が新たに盛り込まれています。

 「生きる力」とは、自立した一人の人間として生活できる力、人として生きていくたくましさです。それは同時に、さまざまな集団や社会の中にあって規範を意識し、他者との適切な関係を構築・維持していける力でもあります。このような力は、3歳から6歳にかけての幼児期において、心身の発達にともなって親や友だちとの関係性を構築していくなかで、会得していくものです。幼児期の教育において第一に重視すべきは、人として社会の中で生きるためのこうした力を子どもの身に付けさせることでしょう。

 このように社会で生きていく力を身に付けるという点において、幼児期の遊びは極めて大切です。かつてオランダの文化史学者ホイジンハは著書『ホモ・ルーデンス』において、人類の文化が遊びのなかで、ときに遊びそのものとして発展したことを論じましたが、幼児期の子どもを見ていると、まさしく「ホモ・ルーデンス」(遊ぶ人)たることに人の成長の基盤があるようにも思えます。子どもたちは遊びを通じて、想像力や豊かな発想、独創性を伸ばしていきます。また、友だちと一緒に遊び、ときには互いの思いがぶつかるなかで、コミュニケーション能力や問題解決能力、自制心、協調性、集団性、自己を尊重しつつ他者を認める力を身に付けていくのです。そうした場で、幼児教育の専門家としての保育者が適切な援助や指導を行うことに、私たちは幼稚園の大事な役割を見出しています。

 むろん、子どもは幼稚園でのみ育つわけではありません。幼児期の子どもの育ちを保証するのは、しっかりと子どもを受け止める家庭の存在です。本園では登降園時や年間の行事を通して、幼稚園と家庭との密な連携を図っています。「自らの力で生きていける子どもを家庭と一緒に育てていく」それが本園の願いです。

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